ランチトートを下げ、急いで渡り廊下へ向かう。
「あれ、友達はいいの?」
二度目、対面する片桐巧もやはり片桐巧だった。
「はい、一応」
「偉いね」
やわい笑顔と共に、ポン、頭に手を置かれると、嫌でも心臓が高鳴る。癪だ。
同時にどこかで見られているであろう、悲鳴に似たどよめきが聞こえた。
最早公開処刑だ、だれか、隠れ身の術を伝授してくれ。
「こっち」
言われて、素直に連なる。
下を向いたまま、甘い香りに誘われるがまま床を、階段を踏む。
そういえば、四月、彼を見かけた時はさながら大学病院の回診の時間かと見間違える程、この人の周りには女の人が囲んでいたな、とかぼんやりとそんな思い出を浸しながら。
あれから1ヶ月と少ししか経っていないのに、彼の後ろに居るのがあたし一人なのも、おかしな現実だ。
そのドアを開ければ、晴れやかな青が広がった。対して沈んだままのあたし。
緊張して喋ることもままならず、警戒心を解かなかったあたしとは対照的に、彼はただ、じっくりとあたしが食べるのを観察していただけだった。
次の日も、次の日も呼び出されては同じことの繰り返し。
綺麗な男の人に興味深そうに見られ続けて、何だか地球外生命体にでもなったような気分を味わった。
「あれ、友達はいいの?」
二度目、対面する片桐巧もやはり片桐巧だった。
「はい、一応」
「偉いね」
やわい笑顔と共に、ポン、頭に手を置かれると、嫌でも心臓が高鳴る。癪だ。
同時にどこかで見られているであろう、悲鳴に似たどよめきが聞こえた。
最早公開処刑だ、だれか、隠れ身の術を伝授してくれ。
「こっち」
言われて、素直に連なる。
下を向いたまま、甘い香りに誘われるがまま床を、階段を踏む。
そういえば、四月、彼を見かけた時はさながら大学病院の回診の時間かと見間違える程、この人の周りには女の人が囲んでいたな、とかぼんやりとそんな思い出を浸しながら。
あれから1ヶ月と少ししか経っていないのに、彼の後ろに居るのがあたし一人なのも、おかしな現実だ。
そのドアを開ければ、晴れやかな青が広がった。対して沈んだままのあたし。
緊張して喋ることもままならず、警戒心を解かなかったあたしとは対照的に、彼はただ、じっくりとあたしが食べるのを観察していただけだった。
次の日も、次の日も呼び出されては同じことの繰り返し。
綺麗な男の人に興味深そうに見られ続けて、何だか地球外生命体にでもなったような気分を味わった。



