恋花ロマンチカ

ゆっくりと、生唾を飲み込み、口を開く。

「……一応、そうみたい……です」

だけど、やっぱり素直に認めることが出来ずに、回答を濁す。

「えぇっ」「まじかー」現実を受け止められないような落胆に混ざり「すご」「王子、なんでもありかよ」好奇の言葉も聞こえた。

「どうやって付き合えたの?」

どうやって、……どうやって。

ジンクスにあやかろうと思ったら、まさか、本人と付き合えました。

……本音を言っても、良いのだろうか。

ちらり、あたしなどを囲むクラスメイト達をおどろおどろしく一瞥する。

一夜にして、姫の座を射止めたあたしはさながら教祖にでもなった気分だ。

羨望に満ちた眼差しに、怯む。だめだ。あたしが素直に口を割れば、信者は暴動を起こすに違いない。

「おはよー」

まるで空気を読んでいたかのように現れたのはセリナ(救世主)だった。