恋花ロマンチカ

言いたいことは全部心の奥に閉じ込めて、すうっと息を吸い込んだ。

「それより何でこんなところに居たんですか?」

「あ、それで思い出した。飴は?」

今の話の何処が、飴のキーワードになったのか。

難しすぎる言葉のキャッチボールにため息を落として棒を差し出す。

「ご馳走様でした」

「はぁ?まだ食べかけだったんだけど」

「では失礼しま……」

「罰としてちょっと付き合おうか」

「はい!?」

「あー俺の飴〜」

口に入れたのはあなたですよね!?

なんて、言い返したくもなる。
しかし完食してしまったのは紛れもなくあたしだ。

反論は飲み込み、屋上を後にする片桐先輩の背中を素直に追い掛けた。


「予習したいので予鈴前には戻りますよ」

しかし一応、抵抗はしてみるものの

「真面目ちゃんだね〜」

やはりあたしの意見は軽く流されてしまった。