恋花ロマンチカ

静寂が戻り、じっとりと視線を横に向けると片桐先輩はスカしたように鼻で笑う。

……なんだ、今の。

あんなに酷いことを言われたのに、満足気に帰る理由が分からない。

何で?別れたら連絡くれるってこの人が言ったから?それがまかり通るなんて、どんな道理なの?

やはり噂通りの男だこの人は。

綺麗なのは顔だけで心は悪魔!性欲の塊!

あたしはこんな人と絶対しない。好きな人としかしないんだから。


「……なに?」


黙って決意をしていれば、意地悪な笑顔で見下ろす王子様。


「庇っていただいてありがとうございます」

「どーいたしまして。あーゆーのちゃんと言えよ?」

「……なぜ……」

「言わないと監視するからね?」

「どうやって監視するんですか」

「ひなのクラスの子とか、教えてくれそー」

「言いますから!やめてください!」


付き合い初めて1週間。その間にもう5回以上は上級生に呼び出された。1日に2度呼び出された日もあった。


呼び出す人も様々で、さっきみたいに怒鳴り散らす人もいれば、あたしを見るなりどこか呆れる人も居た。

見た目が地味で良かったと思う。でも、そもそもは告白OKされたからでそれを言えば告白するからだ。

あぁあたしのバカ。戻れるものならあの日に戻って、早まるなと諭したい。

いつまでこんな事が続くのか、考えるだけで憂鬱だ。