「妄想ってー?」
聞きなれた、耳障りのいい声が上から降ってきた。振り向くと背後に延びた塔屋に誰かのシルエットが見えた。
漆黒の髪がゆらゆらと気持ち良さそうに風に揺れて、今までの話をもちろん聞いていたのだろう。満面の笑みだ。
聞いていたのだったら最初から止めに入って欲しいのに、途中参戦する所が意地悪だ。
彼は軽々と建物から飛び降りて、女子達とあたしの間に割って入る。だけど、助けてもらう義理もないので押し退けようと腕を掴んだ。
「…どいてくだ」
「これ持ってて」
言葉の途中で間抜けに開いた口へ、何かが入る。どうやら棒付きキャンディの様だ。舐めかけなのは癪なのに、苺みるくの優しい甘さは空きっ腹に沁みる。
素直に黙ると片桐先輩の背中があたしの前に立ちはだかった。
聞きなれた、耳障りのいい声が上から降ってきた。振り向くと背後に延びた塔屋に誰かのシルエットが見えた。
漆黒の髪がゆらゆらと気持ち良さそうに風に揺れて、今までの話をもちろん聞いていたのだろう。満面の笑みだ。
聞いていたのだったら最初から止めに入って欲しいのに、途中参戦する所が意地悪だ。
彼は軽々と建物から飛び降りて、女子達とあたしの間に割って入る。だけど、助けてもらう義理もないので押し退けようと腕を掴んだ。
「…どいてくだ」
「これ持ってて」
言葉の途中で間抜けに開いた口へ、何かが入る。どうやら棒付きキャンディの様だ。舐めかけなのは癪なのに、苺みるくの優しい甘さは空きっ腹に沁みる。
素直に黙ると片桐先輩の背中があたしの前に立ちはだかった。



