昼休み。セリナと二人で学食に向かっていれば、モテモテな彼女は相変わらず男子生徒に呼び出され『ごめん、すぐ戻るから』そう言い残して行ってしまった。
言いつけ通りポツンと待っていると『ちょっといい』見知らぬ三人の先輩方に睨まれてしまった。
びしびしと伝わる威圧感。
そりゃそうだ。スクールカーストの底辺を這いずっているモブ女が"姫"の座に居座ったとなれば、その椅子に近しい女子生徒たちの心中は穏やかでは無いだろう。大人しく、大人しく。
「巧に何したんだよ」
「1年のくせに」
「早く別れてよ」
青い空と街を一望できる爽やかな屋上で、その場に似つかわしくない言葉を浴びせられる理由も分かるし
〝告白しました〟
〝1年のくせに申し訳ございません〟
〝早く別れたいです〟
口にするのは簡単なのに、言えば逆撫でする事も分かる。
「あんたのせいで巧、すっげーノリ悪いんだけど!」
「遊ぶ予定入れてたのに、どうしてくれんの!」
「調子乗ってんじゃねーよ」
何が腑に落ちないかって、怒られている理由が片桐先輩だっていうのが気に食わない。
あたし自身の事だったら分かる。地味とかチビとかだったら、頑張って可愛くなります!背も伸ばします!って宣言しようじゃないか。
片桐先輩の事は本人に言ってほしい。ノリが悪いとか知らないし。
だがしかし。それを言えば火に油を注ぐからあたしは大人しく借りてきた猫になる。



