放課後。ホームルームが終わると、わたしは隣のクラスの空に見つからないように教室を出た。
空には友達と帰ると言ってしまったから、ひとりでいるところを見られてしまうとまずい。
少しでも空に見られるリスクを避けるため、わたしは下駄箱に行くのに回り道した。
他学年の教室がある廊下の前を通って、階段を降りていく途中、階段掃除をしている男子生徒ふたりのそばを通りかかった。
「そろそろ終わる?」
「終わろ、終わろ」
ほうきを持った男子ふたりが、わたしと入れ違いに階段を上がっていく。だけど途中で、ひとりが「あ」と思い出したように立ち止まった。
「そういえば、芹沢に声かけるの忘れてね?」
そう言った彼が、引き返して下に降りようとすると、もうひとりの男子が面倒臭そうに顔をしかめる。
空には友達と帰ると言ってしまったから、ひとりでいるところを見られてしまうとまずい。
少しでも空に見られるリスクを避けるため、わたしは下駄箱に行くのに回り道した。
他学年の教室がある廊下の前を通って、階段を降りていく途中、階段掃除をしている男子生徒ふたりのそばを通りかかった。
「そろそろ終わる?」
「終わろ、終わろ」
ほうきを持った男子ふたりが、わたしと入れ違いに階段を上がっていく。だけど途中で、ひとりが「あ」と思い出したように立ち止まった。
「そういえば、芹沢に声かけるの忘れてね?」
そう言った彼が、引き返して下に降りようとすると、もうひとりの男子が面倒臭そうに顔をしかめる。