「学校に行く前に掃除なんて、えらいね」
「そんなことないよ。これは、朝の日課みたいなもん」
わたしが褒めると、陸くんがちょっと照れくさそうに笑ってお風呂場から出てきた。
「うちはお客さんの全然来ないボロ民宿だけど、もしかしたら今日にも急な予約が入るかもしれないだろ。外観はどうにもできないけど、せめて中だけは、毎日綺麗にしとかないとな」
「もしかして、ここ以外も毎朝掃除してるの?」
「そりゃそうだよ。本館と離れの風呂は、毎朝ちゃんと掃除してる。部屋の掃除は、一日一部屋ずつ。部屋も風呂も、使わないと埃が溜まるしカビも生えるからな」
「そっか。なんか陸くん、民宿のオーナーみたいだね」
「みたいっていうか……。次期オーナーになれたらいいなぁとは思ってるよ。ここは、死んだ母さんとの思い出もいっぱい残ってる大事な民宿だし」
目を細めて優しい顔で語る陸くんは、『たいようの家』をほんとうに大事に思っているみたいだ。
うちのパパが今、太一さんと考えている民宿の建て直し計画がうまくいくのかどうかはわからないけど……。陸くんの話を聞いていたら、なんとしてもパパに頑張ってもらいたいという気持ちになってくる。
「そんなことないよ。これは、朝の日課みたいなもん」
わたしが褒めると、陸くんがちょっと照れくさそうに笑ってお風呂場から出てきた。
「うちはお客さんの全然来ないボロ民宿だけど、もしかしたら今日にも急な予約が入るかもしれないだろ。外観はどうにもできないけど、せめて中だけは、毎日綺麗にしとかないとな」
「もしかして、ここ以外も毎朝掃除してるの?」
「そりゃそうだよ。本館と離れの風呂は、毎朝ちゃんと掃除してる。部屋の掃除は、一日一部屋ずつ。部屋も風呂も、使わないと埃が溜まるしカビも生えるからな」
「そっか。なんか陸くん、民宿のオーナーみたいだね」
「みたいっていうか……。次期オーナーになれたらいいなぁとは思ってるよ。ここは、死んだ母さんとの思い出もいっぱい残ってる大事な民宿だし」
目を細めて優しい顔で語る陸くんは、『たいようの家』をほんとうに大事に思っているみたいだ。
うちのパパが今、太一さんと考えている民宿の建て直し計画がうまくいくのかどうかはわからないけど……。陸くんの話を聞いていたら、なんとしてもパパに頑張ってもらいたいという気持ちになってくる。



