調理台の上には、大きめのお皿が『たいようの家』の人数分用意されてある。
「おれ、焼きそば入れてくから、真凛はあんかけかけていって」
「うん」
お皿を手にとった空といっしょに、焼きそばを盛り付けていると、調理場の向こうからママと海くんの声が聞こえてきた。
「割れたお皿、ここにまとめて包みますね」
「ありがとう、海くん。手、切らないように気をつけて」
「はい。このあたり、掃除機もかけますよね。とってきます」
「ありがとう」
わたし達が焼きそばを盛り付けているあいだ、海くんはママの片付けを手伝ってくれていたらしい。
掃除機をとりにパタパタと出て行く海くんの後ろ姿が、食堂の外へと消えて行く。
遠くなっていくキャラメル色の髪を見つめながら、わたしもあとで海くんにお礼を言わなきゃなって思った。
ママの料理を床にまき散らして、謝らずに食堂から出て行こうとした暉くんに、ちゃんと注意をしてくれたことが嬉しかったから。
そのせいで暉くんはもっと機嫌を損ねちゃったけど……。
海くんが暉くんに注意したのは、たぶん、ママとわたしのため。海くんは無表情で無愛想だけど、それだけじゃなくて、ちゃんと優しい。
「おれ、焼きそば入れてくから、真凛はあんかけかけていって」
「うん」
お皿を手にとった空といっしょに、焼きそばを盛り付けていると、調理場の向こうからママと海くんの声が聞こえてきた。
「割れたお皿、ここにまとめて包みますね」
「ありがとう、海くん。手、切らないように気をつけて」
「はい。このあたり、掃除機もかけますよね。とってきます」
「ありがとう」
わたし達が焼きそばを盛り付けているあいだ、海くんはママの片付けを手伝ってくれていたらしい。
掃除機をとりにパタパタと出て行く海くんの後ろ姿が、食堂の外へと消えて行く。
遠くなっていくキャラメル色の髪を見つめながら、わたしもあとで海くんにお礼を言わなきゃなって思った。
ママの料理を床にまき散らして、謝らずに食堂から出て行こうとした暉くんに、ちゃんと注意をしてくれたことが嬉しかったから。
そのせいで暉くんはもっと機嫌を損ねちゃったけど……。
海くんが暉くんに注意したのは、たぶん、ママとわたしのため。海くんは無表情で無愛想だけど、それだけじゃなくて、ちゃんと優しい。



