空と海と、願いごと

「ここで預かり出してから学校もちゃんと行ってるのに。暉がまた学校行かなくなっちゃったら、おじさん達も心配するだろ」

「そうかもしれないけど。学年の違うおれが一緒にいるのも限界があるし、暉自身だって変わらなきゃいけないところがあるじゃん」

「それはそうなんだけど……」

 陸くんと空が、暉くんのことで、わたしにはよくわからない話をしている。

 学校行かなくなっちゃったら……、って、どういうことだろう。

「とりあえず、今日はおれが暉のフォローしてくるな」

「それでいんじゃない?」

 陸くんに話しかけられている空は、やっぱり少し面倒くさそう。

 陸くんは、そんな空を見て困った顔でため息を吐いた。

「ていうか、空。あとでお前もちゃんと暉と話しろよ。ゆり子さん、ちょっと時間かかるかもしれないから、みんなで先にごはん食べててね」

 陸くんはママに声をかけると、暉くんのことを追いかけて食堂を出て行った。