「ごめん……」

 とっさに謝ると、空が首を横に振った。

「いいよ」

 にこっと笑いかけてきた空の目からは、いつのまにか鋭さは消えている。

「クレープ食べ終わったら、帰る前に本屋寄っていい? 今月発売のマンガ買いたいんだよね」

 わたしに話しかけてくる空は、いつもの彼に戻っていたけど……。

 クレープを食べ終わったあとも、本屋に寄り道しているときも、空が一瞬だけ見せた冷たい表情が頭から離れなくて。空と海くんのあいだに何があるのか、気になって仕方なかった。