2組になった空のほうは、小学校のときに一番仲が良かった友達と同じクラスだったらしい。岡くんっていうらしく、その子の話をする空は楽しそうだった。
「あ、そーだ。真凛。今日、ちょっとだけ寄り道して帰らない?」
昇降口で靴に履き替えて校門を出ると、空がにこにこ笑顔でわたしに誘いかけてきた。
「寄り道?」
「うん。バスに乗って、駅のほうまで行こうよ」
「駅って、電車の?」
一番近くにある鉄道の駅は、バスのターミナル駅で、海の田舎町の中では一番栄えている場所らしい。
「うん。一ヶ月くらい前においしいクレープ屋さんができたらしいんだけど、まだ行けてないんだよね。ちょうど腹減ったし、真凛と一緒に食べに行きたい」
何もない海の田舎町のどこに寄り道するようなところがあるんだろうって思ったけど……。駅前にはクレープ屋さんの他にもカラオケとかファミレスもあるみたい。
「行きたいけど……、わたし、あんまりお金持ってないよ」
この町で、学校帰りに寄り道する場所があるなんて思っていなかったから、わたしのお財布には1000円しか入ってない。
「大丈夫。クレープはおれが奢るし、夕飯までには帰るから」
真面目に心配していると、空が悪戯っぽく笑ってわたしの手を引いた。
「行こ行こ!」
明るい声で空に誘われると、「じゃあ、一緒に行こうかな」って気持ちになる。
空は、その場の空気を明るくしたり、人の気分をのせるのがうまい。そういう性格だから、女の子にもモテるんだろうな〜。
そういえばわたし、空からの告白の返事をまだできてないけど……。こうやってふたりで遊びに行くのって、デートになるのかな。
なかなか告白の返事ができないわたしに、空はふつうに接してくれている。だから、わたしも空の態度に甘えて返事をするのを引き延ばしにしてる。
空はかっこいいし、明るくて一緒にいて楽しいし。もちろん、嫌いじゃない。だけど、空と「付き合いたい」か? って聞かれると、正直まだよくわからない。
こんな優柔不断な態度をとってるわたしのことを、空はどう思ってるんだろう。どんな気持ちで、わたしとふたりで学校から一緒に帰ったり、遊びに誘ったりしてくれてるのかな。
空について歩きながら、わたしは少しドキドキ、そわそわとしていた。
「あ、そーだ。真凛。今日、ちょっとだけ寄り道して帰らない?」
昇降口で靴に履き替えて校門を出ると、空がにこにこ笑顔でわたしに誘いかけてきた。
「寄り道?」
「うん。バスに乗って、駅のほうまで行こうよ」
「駅って、電車の?」
一番近くにある鉄道の駅は、バスのターミナル駅で、海の田舎町の中では一番栄えている場所らしい。
「うん。一ヶ月くらい前においしいクレープ屋さんができたらしいんだけど、まだ行けてないんだよね。ちょうど腹減ったし、真凛と一緒に食べに行きたい」
何もない海の田舎町のどこに寄り道するようなところがあるんだろうって思ったけど……。駅前にはクレープ屋さんの他にもカラオケとかファミレスもあるみたい。
「行きたいけど……、わたし、あんまりお金持ってないよ」
この町で、学校帰りに寄り道する場所があるなんて思っていなかったから、わたしのお財布には1000円しか入ってない。
「大丈夫。クレープはおれが奢るし、夕飯までには帰るから」
真面目に心配していると、空が悪戯っぽく笑ってわたしの手を引いた。
「行こ行こ!」
明るい声で空に誘われると、「じゃあ、一緒に行こうかな」って気持ちになる。
空は、その場の空気を明るくしたり、人の気分をのせるのがうまい。そういう性格だから、女の子にもモテるんだろうな〜。
そういえばわたし、空からの告白の返事をまだできてないけど……。こうやってふたりで遊びに行くのって、デートになるのかな。
なかなか告白の返事ができないわたしに、空はふつうに接してくれている。だから、わたしも空の態度に甘えて返事をするのを引き延ばしにしてる。
空はかっこいいし、明るくて一緒にいて楽しいし。もちろん、嫌いじゃない。だけど、空と「付き合いたい」か? って聞かれると、正直まだよくわからない。
こんな優柔不断な態度をとってるわたしのことを、空はどう思ってるんだろう。どんな気持ちで、わたしとふたりで学校から一緒に帰ったり、遊びに誘ったりしてくれてるのかな。
空について歩きながら、わたしは少しドキドキ、そわそわとしていた。