「速水真凛です。よろしくお願いします」
自己紹介して頭を下げるとき、石倉さんが、まだわたしを睨むように見ていてちょっと怖かった。
ああ。やっぱり、このままじゃ、ほんとうに新しい学校で友達ゼロかな。転入初日。自己紹介前にやらかしたかも……。
そして、それはわたしの思い違いではなかったらしい。
転入生初日って、クラスメートたちから注目されて、休み時間になるといろんな人が寄ってきて話しかけられる。そんなイメージだったのに、石倉さん達との会話でやらかしてしまったわたしのところには、誰も近付いてきてくれない。
仕方がないので、一、二時間目と二、三時間目の授業のあいだの休み時間はひとりでぼんやりと過ごし……。三時間目が終わったあと、ちょっとトイレに行きたくなって席を立って戻ってきたら、教室に誰もいなかった。
え、まさか。クラス全員神隠し——?
席に着いてしばらく待ってみたけど、誰も戻ってくる様子はない。
どうしたらいいのか困っていたら、教室の前のドアからひとりの男子生徒がひょいっと顔をのぞかせた。海くんだ。
「ああ、やっぱりここにいた。次、理科室に移動だって」
家でも学校に来てからもまだ一度もしゃべっていない海くんが、無表情でわたしに教えてくれる。
自己紹介して頭を下げるとき、石倉さんが、まだわたしを睨むように見ていてちょっと怖かった。
ああ。やっぱり、このままじゃ、ほんとうに新しい学校で友達ゼロかな。転入初日。自己紹介前にやらかしたかも……。
そして、それはわたしの思い違いではなかったらしい。
転入生初日って、クラスメートたちから注目されて、休み時間になるといろんな人が寄ってきて話しかけられる。そんなイメージだったのに、石倉さん達との会話でやらかしてしまったわたしのところには、誰も近付いてきてくれない。
仕方がないので、一、二時間目と二、三時間目の授業のあいだの休み時間はひとりでぼんやりと過ごし……。三時間目が終わったあと、ちょっとトイレに行きたくなって席を立って戻ってきたら、教室に誰もいなかった。
え、まさか。クラス全員神隠し——?
席に着いてしばらく待ってみたけど、誰も戻ってくる様子はない。
どうしたらいいのか困っていたら、教室の前のドアからひとりの男子生徒がひょいっと顔をのぞかせた。海くんだ。
「ああ、やっぱりここにいた。次、理科室に移動だって」
家でも学校に来てからもまだ一度もしゃべっていない海くんが、無表情でわたしに教えてくれる。



