空と海と、願いごと

「朝ごはん食べた頃に、引越しの荷物が届くからね。新しい中学の制服も届くから、明日からの学校の用意するのよ」

 ぼんやり考えていると、ママが朝ごはんのお皿を渡してくる。

 そっか。明日から、学校だ。

 わたしが新しく通うことになるのは、『たいようの家』の男の子たちが通っている中学校。『たいようの家』からは、バスで15分くらいの場所にあるらしい。

 前に通っていた中学校は、歩いて10分だったから、明日からのことを考えるとちょっとウンザリする。バス停までも歩いて10分くらいはかかるみたいだし。雨の日も、暑い日も、寒い日も絶対大変……。

 それに、これから行く中学校に通っているのは、小学校の頃から海の町に住んでいる地元の子たちばっかりだって聞いている。そんなところに、中学二年生から転入してなじめるのかも心配だ。

 ゆううつな気持ちで、朝ごはんのお皿を持って空のところに戻る。