空と海と、願いごと

「真凛が言ったとおり、おれたちは３年前に会ってるし、そのとき、おれが海で真凛を助けた。真凛は覚えてないと思うけど」

　空はそう言うと、ちょっと切なそうに微笑んで、布団から見えていたわたしの足首の傷を見た。ドキッとして手で傷を隠すと、空が悲しそうに笑う。

「あのときは、守りきれずに怪我させちゃってごめんね」

　そう言うと、空は足首を押さえていたわたしの手をそっとつかんだ。

　空の薄茶色の瞳と視線がぶつかって。ドキッとした瞬間に、空に手を引かれて抱きしめられる。

「おれね、３年前に会ったときからずっと、真凛のことが好きだったんだよ。だから、また会えて嬉しい」

　甘く優しい空からの告白に、心臓がドキドキと暴れ始める。

　男の子に告白されるのなんて、生まれて初めてだ。ドキドキで爆発しそうなんだけど……。

「あ、あ、あの……。わたし……」

　口をパクパクさせていると、空がわたしの髪をそっと撫でてきた。