「え……」
びっくりして逃げようとしたけど、やわらかな砂に足をとられて逃げ遅れる。
パシャッと冷たい海水がスニーカーと足首を濡らす。そのくらいだったら、いつもはちょっと不快に思うだけ。
でも、砂に足をとられて動けなくなったところに不意打ちで水がかかったせいか、恐怖を感じて体が震え……。その場で動けなくなった。
手足の温度が下がって、体がブルブルと震える。立っていられなくて座り込んだわたしの足に、押し寄せてきた波がまたパシャリとかかる。
小5の夏休み。近所のプールで起こしたのと同じようなパニックで、体が震えて息もうまくできない。
どうしよう。たすけて――。パパ、ママ――!
助けを呼びたいけれど、息がどんどん苦しくなって声が出ない。
このままじゃ、やばい――。
本気でそう思ったとき。
「おい、大丈夫か?」
駆け寄ってきた誰かが、うずくまって震えるわたしの肩をそっと支えてくれた。
よかった、人が来てくれて。でも、全然大丈夫じゃない……。
ゆるゆると首を左右に振ると、そばにいるその人が、わたしを抱きしめるようにしながら優しく背中を撫でてくれる。
びっくりして逃げようとしたけど、やわらかな砂に足をとられて逃げ遅れる。
パシャッと冷たい海水がスニーカーと足首を濡らす。そのくらいだったら、いつもはちょっと不快に思うだけ。
でも、砂に足をとられて動けなくなったところに不意打ちで水がかかったせいか、恐怖を感じて体が震え……。その場で動けなくなった。
手足の温度が下がって、体がブルブルと震える。立っていられなくて座り込んだわたしの足に、押し寄せてきた波がまたパシャリとかかる。
小5の夏休み。近所のプールで起こしたのと同じようなパニックで、体が震えて息もうまくできない。
どうしよう。たすけて――。パパ、ママ――!
助けを呼びたいけれど、息がどんどん苦しくなって声が出ない。
このままじゃ、やばい――。
本気でそう思ったとき。
「おい、大丈夫か?」
駆け寄ってきた誰かが、うずくまって震えるわたしの肩をそっと支えてくれた。
よかった、人が来てくれて。でも、全然大丈夫じゃない……。
ゆるゆると首を左右に振ると、そばにいるその人が、わたしを抱きしめるようにしながら優しく背中を撫でてくれる。



