空と海と、願いごと

 ミサたちの裏切りにショックを受けて外に出てきたけど、海を見たところでテンションは上がらない。

 そもそも、わたしは海とか川とか水辺があんまり好きじゃない。もっと言うと、プールも苦手。あったかいお風呂は大丈夫だけど、冷たい水が不意打ちで体にかかったりするのも不快。

 幼稚園や小学校の低学年の頃は大丈夫だったのに、小5の夏休みの終わりに急にダメになった。

 小5の夏に、友達に誘われて近所のプールに遊びに行ったとき。みんなと水着に着替えて浅いところから水に入ろうとしたら、急に震えがきて……。冷や汗が止まらなくなった。心臓がバクバク鳴って、自分の体がおかしくなったんだと思った。

 それ以来、学校のプールの授業は全部休んでる。

 どうして、今までふつうに入れていたのに急にプールに入れなくなっちゃったのか。わたしには全然わからない。だけど、パパとママにはわたしがそうなった原因に心あたりがあったみたい。

 小5の夏。ママが病気でひと月ほど入院することになり、ママがいなくて寂しそうにしているわたしのために、パパが海に連れて行ってくれたことがあったらしい。そのときに、わたしは波にさらわれて溺れかけたそうだ。

 もう目立たなくなっているけど、わたしの左の足首には何かで切ったような傷痕が残ってて。それは、溺れかけたときにできたものらしい。