空と海と、願いごと

 こういうときでもちょっとだけ遠慮しちゃう海くんに、さっき空から言われたアドバイスを思い出す。

 グイグイ……、だっけ。

 海くんと空は、ふたりで足して2で割ったくらいがきっとちょうどいいんだろうな。

 そう思いながら、わたしは海くんに笑いかける。

「いいよ。だってわたしはもう、海のことが大好きだもん」

 よく晴れた夏空の下。ドキドキする胸を押さえながらのわたしの告白。それに海くんは少し照れくさそうに、目を細めて笑ってくれた。

fin.