夕方の浜辺で海くんと話した翌朝。わたしは、いつもより早めに目が覚めた。

 せっかく早起きしたし、朝ごはんを作るママの手伝いでもしようかな。

 うーん、と伸びをして起き上がると、パジャマ代わりに着ているTシャツとショートパンツの姿で部屋のふすまを開ける。そのまま部屋を出ようとしたら、誰かが二階から階段を上ってきた。

『たいようの家』の男の子たちの誰かだと思うけど、両腕いっぱいに布団のシーツを抱えているせいで顔が見えない。

 廊下の端によけて待っていたら、わたしの横を通り過ぎるときに、やっとその子の顔が見える。

 朝から洗濯のお手伝いってことは、陸くんか海くんかな。そう思っていたら、上がってきたのが予想外の人物だったからびっくりした。

「え、空?」

 洗濯物のシーツを屋上に運ぼうとしているのは、空だった。