しばらくさくら貝を見つめていた海くんが、やがて、それを手のひらの中にそっと包む。
「ありがとう……」
ザザンと、少しうるさい波の音に混じって、海くんのかすれた声が耳に届く。
海くんが目を細めて笑うのを見て、胸の奥がきゅんとした。
海くんの顔を見つめながら、もしかしたら……って思う。
わたしがまたこの『たいようの家』に来ることになったのも。忘れていた記憶を思い出せたのも、また海くんのことを好きになったのも全部。この願いごとをかなえてほしかったからかもしれない。
わたしは昔も今も海くんが好きだから。大切な人が、悲しい気持ちをしたままなのは嫌なんだ。
「ありがとう……」
ザザンと、少しうるさい波の音に混じって、海くんのかすれた声が耳に届く。
海くんが目を細めて笑うのを見て、胸の奥がきゅんとした。
海くんの顔を見つめながら、もしかしたら……って思う。
わたしがまたこの『たいようの家』に来ることになったのも。忘れていた記憶を思い出せたのも、また海くんのことを好きになったのも全部。この願いごとをかなえてほしかったからかもしれない。
わたしは昔も今も海くんが好きだから。大切な人が、悲しい気持ちをしたままなのは嫌なんだ。