「もういいから、やめろよ。わざわざ危ないことしてまで叶えたい願いごとってなに? 空と付き合いたいとかそういうのなら、直接あいつに言えばいいよ。空はずっと、真凛のこと好きだから。さくら貝に願掛けするまでもない。だから、もう戻ろう」
海くんが必死な声でそう言って、わたしをきつく抱きしめる。その腕のなかは温かくて。
海くんからは、わたしを助けてくれた3年前の記憶の中にある男の子と同じ、潮風みたいな優しい香りがした。
「やっぱり、海くんだよね。わたしを助けてくれたのは――」
後ろにもたれるみたいにして見上げると、ちょっと泣きそうな海くんと目が合う。
「空にも聞いて、知ってるよ。だから、もうウソはつかないでほしい。それと……、ごめんね」
「ごめん、て。なにが?」
ふっと笑いかけると、海くんが困ったように瞳を揺らした。
海くんが必死な声でそう言って、わたしをきつく抱きしめる。その腕のなかは温かくて。
海くんからは、わたしを助けてくれた3年前の記憶の中にある男の子と同じ、潮風みたいな優しい香りがした。
「やっぱり、海くんだよね。わたしを助けてくれたのは――」
後ろにもたれるみたいにして見上げると、ちょっと泣きそうな海くんと目が合う。
「空にも聞いて、知ってるよ。だから、もうウソはつかないでほしい。それと……、ごめんね」
「ごめん、て。なにが?」
ふっと笑いかけると、海くんが困ったように瞳を揺らした。



