「あのね、海くん。昨日、空がわたしにさくら貝をくれたんだ。だから今日は、海くんの前で願いごとをしたいなって思ってる」
右手に握りしめていたさくら貝を見せると、海くんがなんだか不安そうな顔をする。そんな海くんに、にこっと笑いかけると、わたしは一歩、彼に近付いた。
ザザン、と。打ち寄せてくる波の音が、耳に届く。
これ以上近付くと、海の水が不意打ちでかかる可能性が高くなる。怖さや不快感はあるし、またパニックになったらどうしようって不安もある。
だけどどうしても、海くんの前で願いごとをしたかった。
さらにもう一歩、海に近付くと、パシャンと跳ねた水がサンダルの素足にかかる。ドキッとして体を震わせたとき。
「気をつけて」
走り寄ってきた海くんが、わたしを背中からぎゅっと抱きしめてきた。
右手に握りしめていたさくら貝を見せると、海くんがなんだか不安そうな顔をする。そんな海くんに、にこっと笑いかけると、わたしは一歩、彼に近付いた。
ザザン、と。打ち寄せてくる波の音が、耳に届く。
これ以上近付くと、海の水が不意打ちでかかる可能性が高くなる。怖さや不快感はあるし、またパニックになったらどうしようって不安もある。
だけどどうしても、海くんの前で願いごとをしたかった。
さらにもう一歩、海に近付くと、パシャンと跳ねた水がサンダルの素足にかかる。ドキッとして体を震わせたとき。
「気をつけて」
走り寄ってきた海くんが、わたしを背中からぎゅっと抱きしめてきた。



