「ごめんなさい……。わたし、空の気持ちには答えられない……」

 うつむくわたしのそばで、空が小さく首を横に振る気配がした。 

「ありがとう、真凛のほんとうの気持ちを教えてくれて」

「空、ごめん……」

 泣きそうな声でつぶやくと、空がさくら貝をのせたわたしの手を包んでぎゅっと握らせる。

「謝らないでよ。真凛の気持ちが、海に伝わりますように」

 視線をあげると、空がにこっと微笑みかけてくる。

「ありがとう……」

 うまく言葉にはできないけれど、わたしは空のことも大好きだよ。海くんに感じる気持ちとは少しだけ違うけど。空も、わたしにとっては大事なひと。

 優しい空の笑顔に、わたしの胸はきゅーっとせつなくなった。