空と海と、願いごと

「おれに責められて、海はすごく傷ついた顔してた。だけどおれはそれを見て、『なんでお前のほうが傷つくんだよ』って思っちゃって。それ以来、海とはほとんど口きいてない」 

 空がしてくれた話に、わたしはショックを受けていた。だって、空と海くんがケンカする原因にわたしが関わっていたから。

 3年前、わたしが海で溺れかけたせいで。夏の記憶を全部忘れてしまったせいで。空と海くんを傷つけた――。

 すべて忘れていたとはいえ、最低だ……。

「ご、めん……」

 泣きそうな声で謝ると、空が小さく首を横に振る。

「真凛が謝ることじゃないよ。おれのほうも、ごめんだし」

「どうして……?」

「真凛がここに引っ越してきた日。おれ、真凛にウソついたから。パニックになってた真凛を助けたのは自分だ、って」

「じゃあ、やっぱり……」