海くんが自分のお願いごとを叶えるために大切に持っていたものを、わたしが使あるわけない。海くんが自分のお願いごとをしないといけない。
そう思って断ったのに、海くんは大切なさくら貝をわたしの前で海に落とした。
『真凛のママが早く元気になりますように――』
海くんは、大切なさくら貝を自分のお願いではなくてわたしのお願いをかなえるために使ってくれた。
『真凛の話を聞いて、おれも、真凛のママが早く元気になればいいなって思ったから』
びっくりして目を見開いたわたしに、海くんは笑ってそう言った。
さくら貝を落としても、人魚は現れなかったけど……。海くんがお願い事をしてくれたおかげなのか、そのあと、ママの病気は少しずつよくなっていった。
わたしが毎日のように浜辺でさくら貝を探すようになったのは、それからだ。東京に帰るまでに必ず見つけて、海くんにお返しがしたかった。
今度は、海くんの願い事をかなえてもらいたかったから。
そう思って断ったのに、海くんは大切なさくら貝をわたしの前で海に落とした。
『真凛のママが早く元気になりますように――』
海くんは、大切なさくら貝を自分のお願いではなくてわたしのお願いをかなえるために使ってくれた。
『真凛の話を聞いて、おれも、真凛のママが早く元気になればいいなって思ったから』
びっくりして目を見開いたわたしに、海くんは笑ってそう言った。
さくら貝を落としても、人魚は現れなかったけど……。海くんがお願い事をしてくれたおかげなのか、そのあと、ママの病気は少しずつよくなっていった。
わたしが毎日のように浜辺でさくら貝を探すようになったのは、それからだ。東京に帰るまでに必ず見つけて、海くんにお返しがしたかった。
今度は、海くんの願い事をかなえてもらいたかったから。



