ママが病気で入院し、パパともしばらく離れ離れで。小学生だったわたしの心は、不安でいっぱいだった。
ママがこのまま入院したままだったらどうしよう。このまま、ひとりきりで知らない場所に預けられたままになるのかな。
淋しさと不安で泣いていると、わたしが部屋にいないことに気付いた海くんが浜辺に探しに来てくれた。
ママの病気のことを知った海くんは、水色のお守りの中に入れていたさくら貝を取り出すと、お母さんから聞いたという人魚とさくら貝の話を教えてくれた。
『夕日が沈むときに海にさくら貝を落とせば、人魚が願いをかなえてくれるんだよ。だからこれ、真凛にあげる』
海くんは笑ってそう言ったけど、わたしはそれを受け取れなかった。
だって、そのさくら貝は海くんが最近見つけたばかりのもので。綺麗な状態のものを見つけるのはすごく難しいって聞いたから。
ママがこのまま入院したままだったらどうしよう。このまま、ひとりきりで知らない場所に預けられたままになるのかな。
淋しさと不安で泣いていると、わたしが部屋にいないことに気付いた海くんが浜辺に探しに来てくれた。
ママの病気のことを知った海くんは、水色のお守りの中に入れていたさくら貝を取り出すと、お母さんから聞いたという人魚とさくら貝の話を教えてくれた。
『夕日が沈むときに海にさくら貝を落とせば、人魚が願いをかなえてくれるんだよ。だからこれ、真凛にあげる』
海くんは笑ってそう言ったけど、わたしはそれを受け取れなかった。
だって、そのさくら貝は海くんが最近見つけたばかりのもので。綺麗な状態のものを見つけるのはすごく難しいって聞いたから。



