ホームルームが終わって、クラスメートたちが一斉に席を立つ。帰る準備をしたわたしが教室を出ようとすると、ドアのところでぐうぜん、海くんといっしょになった。

「う、海くん、今日は部活……?」

 ドキドキしながら声をかけてみたけど、海くんはわたしのほうを見てくれない。

「頑張ってね」

 それでもめげずにせいいっぱいの笑顔で言ってみたけど。

「うん……」

 海くんは、短くそう言ってわたしから離れていってしまう。

 また、避けられた——。海くんの冷たい対応に、ちょっと泣きそうになる。

『たいようの家』のリニューアルイベントのあとから、わたしは海くんに避けている。

 わたしから話しかければ、海くんからの短い反応は返ってくる。完全に無視されてるってわけじゃないけど、前までみたいに目を合わせて会話をしてくれない。

 落ち込んだ気持ちで廊下に出ると、隣の空の教室の前に暉くんが立っていた。