「そのまま、真凛は『たいようの家』には戻らずに、迎えにきた航一さんと家に帰ったんだよ。お別れも言えないまま別れたのは淋しかったけど、おれたちが何も覚えてない真凛に会って混乱させたらよくないからって。もう会えないのかなって思ってたから、真凛がうちに引っ越してくることが決まったときは、おれも空も海もびっくりだった」
「そうだったんだ……。てことは、陸くんは、わたしのことを助けてくれたのが誰かは知らない……?」
「真凛のこと助けたのは、空と海だろ」
「空と、海くん……?」
「そうだよ。海が溺れかけてる真凛を引っ張り上げて、空が父さんのところに知らせに来たって聞いたけど……」
「そう、なの……?」
思い出した記憶では、海の中からわたしを引き上げてくれた男の子はひとりだけだった。それは、海くんで間違いないと思う。
だけどあのとき、わたしが気付かなかっただけで、空も近くにいたの——?
「そうだったんだ……。てことは、陸くんは、わたしのことを助けてくれたのが誰かは知らない……?」
「真凛のこと助けたのは、空と海だろ」
「空と、海くん……?」
「そうだよ。海が溺れかけてる真凛を引っ張り上げて、空が父さんのところに知らせに来たって聞いたけど……」
「そう、なの……?」
思い出した記憶では、海の中からわたしを引き上げてくれた男の子はひとりだけだった。それは、海くんで間違いないと思う。
だけどあのとき、わたしが気付かなかっただけで、空も近くにいたの——?



