空と海と、願いごと

「よくわかんないけど、ちゃんと仲直りしてね」

「わかった」

 いつかと立場が逆になってるな。そう思いながら、暉くんに苦笑いを返す。

 だけど、普段よりも早く夜ごはんを済ませた空は、先にひとりで食堂を出て行ってしまって。話しかけるチャンスがなかった。

 空からだいぶ遅れて食堂を出たわたしは、階段の手すりにもたれてため息を吐いた。

『たいようの家』に来てから、いつもわたしの近くで笑いかけてくれていた空。そんな空から目も合わせてもらえないのは悲しいけど……。それくらい、わたしが空の気持ちを傷つけてしまったんだって思う。

 でも、どうしたらよかったんだろう。

「大丈夫?」

 階段の前で立ち止まっていると、後ろから声をかけられた。振り向くと海くんがいて、心臓がドクンと跳ね上がる。