「空、あの女の子は……?」
倒れる前に、わたしの横を駆け抜けて女の子を助けに飛び込んだのは海くんだった。あの子と海くんは無事だろうか。
「あの子は海が助けたよ。ケガもなくて、無事だった」
不安顔のわたしに、空がそんなふうに教えてくれる。
「そっか、よかった……」
海くんが助けてくれたんだ……。ほっとするのと同時に、胸の奥がきゅーっと苦しくなった。女の子を助けにいく海くんを見て、思い出したことがあったから。
3年前。わたしが海で溺れかけたのも、波にさらわれたサンダルを追いかけようとしたせいだ。
そのとき助けてくれたのは、キャラメル色の髪の男の子。わたしを海から掬い上げて優しく抱きしめてくれたのは、海くんだった。それからたぶん、『たいようの家』に引っ越してきた日に、パニックになったわたしを助けてくれたのも。
女の子を助けてくれたお礼を言って、3年前のことを確かめないと……。
「今、海くんは……?」
尋ねた瞬間、空から表情が消えた。
倒れる前に、わたしの横を駆け抜けて女の子を助けに飛び込んだのは海くんだった。あの子と海くんは無事だろうか。
「あの子は海が助けたよ。ケガもなくて、無事だった」
不安顔のわたしに、空がそんなふうに教えてくれる。
「そっか、よかった……」
海くんが助けてくれたんだ……。ほっとするのと同時に、胸の奥がきゅーっと苦しくなった。女の子を助けにいく海くんを見て、思い出したことがあったから。
3年前。わたしが海で溺れかけたのも、波にさらわれたサンダルを追いかけようとしたせいだ。
そのとき助けてくれたのは、キャラメル色の髪の男の子。わたしを海から掬い上げて優しく抱きしめてくれたのは、海くんだった。それからたぶん、『たいようの家』に引っ越してきた日に、パニックになったわたしを助けてくれたのも。
女の子を助けてくれたお礼を言って、3年前のことを確かめないと……。
「今、海くんは……?」
尋ねた瞬間、空から表情が消えた。



