空と海と、願いごと

「ねえ、危ないよ!」

 わたしが離れたところから大声で叫ぶと、トンネルを掘っていた男の子たちが反応して顔をあげた。その瞬間、また大きな波が打ち寄せてきて。

「ナナ……っ!?」

 男の子たちが弾かれたように立ち上がる。

 海の少し深いところまで進んでいた女の子のうえから、高い波がざぶんと襲いかかって。女の子の体が波に飲まれて揺れた。

「ナナっ! ママー!」

 男の子たちが、泣き叫ぶみたいに浜辺のどこかにいるらしいお母さんを呼ぶ。

 女の子は、もともと立っていた場所よりも少し流された海の中で手をバタバタさせていて。わたしの背中にスーッと冷たい汗が流れた。

 うそ、どうしよう……。助けなきゃ……。わたしも誰かに助けを……。

 頭ではそう思うのに、わたしの体はだんだんと冷たくなっていくばかりで、声が出ない。

 どうしよう、どうしよう……。

 ガタガタと体を震わせていると、誰かが後ろから駆けてきた。

「真凛、大丈夫だから」

 低く掠れた声が耳に届き、肩をぽんっと軽く叩かれる。