「空くん、真凛、お手伝いありがとう。そろそろイベントも終わるから、少し休憩したら、また片付け作業手伝ってね」

 完売の張り紙をしたママが、テントの外で呼び込みをしていた空とレジをしていたわたしに声をかける。

「はーい」

 日差しのキツいなか、ずっと頑張ってお客さんに声かけをしてくれていた空が、額の汗を拭きながらテントの内側に入ってくる。

「あ~、あっつい。こんなに汗かくのひさしぶりだ」

 いつもオシャレな空も、今日はTシャツに短パンという格好。テントの下の椅子に座って水を飲む空は、なかなか汗がひかないみたいで暑そうだ。ほっぺたも赤くなって、ちょっと日焼けしている気がする。

「おつかれさま~。空のおかげで完売だね」

 近くに置いてあったうちわをとって、パタパタとあおいであげると、空が気持ちよさそうに目を細めた。

「ありがと」

 嬉しそうに笑う空が、ちょっとかわいい。空のためにと、頑張ってうちわであおいでいると、別の屋台のテントでお手伝いをしていた暉くんがやってきた。