朝からこんなにいい天気だったら、これからもっと日差しがきつくなって、気温だって高くなる。絶対焼けるな……。

 早起きのせいで頭がぼんやりしてたわたしだけど、部屋から出るときに、日焼け止めだけはしっかり握りしめてきた。それも、SPF値が高くて汗にも強い、ウォータープルーフのやつ。

 さっそくフタを開けて、腕や足や顔、それから首と耳の後ろ側までしっかりと日焼け止めを塗り込んでいると、空が隣で「ふぁーっ」とやる気ない欠伸をした。

「父ちゃんたち、めちゃくちゃやる気だな。こんなちっさなイベントに、ほんとうにお客さん来る?」

「どうだろうね~」

 空のひとりごとみたいな問いかけに、暉くんがぼーっとした声で答える。空も暉くんも、わたしと同じで頭がまだしっかり起きてないみたい。

 そんなわたし達とは違って、普段から早起きな陸くんと海くんは、パパや太一さんに言われて、すでにてきぱきと動いている。

 民宿の駐車場のほうから運んできた折り畳み式のテーブルや椅子を、階段からおろして浜辺に運んでいく陸くんと海くん。ふたりとも、普段から部活で鍛えてるだけあって頼もしい。

 ふたりを……、というより、どちらかというと海くんのことをぼんやりと目で追っていたら、椅子を運んできた陸くんがわたし達の前で立ち止まった。