空と海と、願いごと

 暉くんがどう思っているのかはわからないけど、表情を見る限り、イベントのお手伝いにあんまり乗り気じゃなさそう。

 こういうイベントを率先して手伝ったり盛り上げたりできるのって、きっと陸くんだ。あとは、文句を言わずに黙々と裏方作業ができる海くんもかな。

「イベントでは屋台のほかに、小さなステージも設営して、地元のアーティストを呼んだりしてもいいかなーって考えてるみたいよ」

 仕事をさせられると聞いてテンションが少し下がったわたしたちに、ママがプレオープンイベントの構想をいろいろと話してくれる。

 ママは楽しそうだったけど、わたし達――、特に空は、話を聞くのもちょっと面倒くさそうだった。

 民宿のリニューアルやイベントは、パパやママの構想通りにうまくいくのかな。

 毎日閑散としてる『たいようの家』が、お客さんでいっぱいになる日が来るのかな……。

 そんな未来が、わたしにはイマイチ想像できない。