「真凛?」
「あ、ごめん。海くんの話、遮っちゃって。さくら色の貝がなんだっけ?」
黙り込んだわたしの顔を心配そうに見てくる海くんに笑いかける。
「あ、うん。おれ、このお守りにずっとさくら貝を入れてて。もし、真凛に願い事があるならあげたいな、って」
そう言って海くんが青色のお守りの袋から取り出したのは、小さな淡いピンク色の貝殻だった。
海くんのお母さんの話によると『夕陽が沈む直前に、さくら色の貝を海に落として願い事をすれば、人魚が叶えてくれる』んだっけ。
「かわいくて綺麗だね」
「うん。実はさくら貝ってけっこう珍しくって、いつでも簡単に拾えるものじゃないんだ」
「そうなの?」
「薄いし壊れやすいから、綺麗な形で見つけるのも難しい。だから、見つけたら『幸せ』になれるって言われてるらしいよ」
「へえー。だから、さくら色の貝が『人魚に願い事を叶えてもらうため』のアイテムになるんだね」
そんな夢のあるお話を考えたのが海くんのお母さんだったのなら……。きっと、素敵な人だったんだろうな。
会ったこともないのに、海くんや空とよく似たキャラメル色の髪の優しそうなお母さんの顔がイメージできてしまう。
「あ、ごめん。海くんの話、遮っちゃって。さくら色の貝がなんだっけ?」
黙り込んだわたしの顔を心配そうに見てくる海くんに笑いかける。
「あ、うん。おれ、このお守りにずっとさくら貝を入れてて。もし、真凛に願い事があるならあげたいな、って」
そう言って海くんが青色のお守りの袋から取り出したのは、小さな淡いピンク色の貝殻だった。
海くんのお母さんの話によると『夕陽が沈む直前に、さくら色の貝を海に落として願い事をすれば、人魚が叶えてくれる』んだっけ。
「かわいくて綺麗だね」
「うん。実はさくら貝ってけっこう珍しくって、いつでも簡単に拾えるものじゃないんだ」
「そうなの?」
「薄いし壊れやすいから、綺麗な形で見つけるのも難しい。だから、見つけたら『幸せ』になれるって言われてるらしいよ」
「へえー。だから、さくら色の貝が『人魚に願い事を叶えてもらうため』のアイテムになるんだね」
そんな夢のあるお話を考えたのが海くんのお母さんだったのなら……。きっと、素敵な人だったんだろうな。
会ったこともないのに、海くんや空とよく似たキャラメル色の髪の優しそうなお母さんの顔がイメージできてしまう。



