離れの一階の食堂からは、カレーのにおいがふわっと漂ってきた。

 太一さんと話しながら歩くパパとママの後をついて食堂に入ると、縦長のテーブルに座っていた男の子たちが4人。わたし達のほうをいっせいに振り返る。

 男の子たちは、たぶん、わたしと同じ中学生くらい。それぞれ雰囲気は違うけど、4人とも、思わず見惚れちゃうくらいに整った顔立ちをしている。

 4人のうちのふたりは、キャラメル色の髪と薄茶色の瞳をしていて。ほかのふたりに比べて、特に目を惹く。顔が似ているから、双子なのかもしれない。

 かっこいい男の子たちからの視線にドキッとして、わたしはパパとママの後ろに隠れた。

 太一さんを初めて見たときに「かっこいい人だな」って思ったけど……。お父さんがかっこいいと、子どももやっぱりイケメンになるんだな。

 しかも、兄弟揃って美形なんて。きっと、何年か前に亡くなったという太一さんの奥さんもめちゃくちゃ美人だったんだろう。

「子どもたちを紹介するね。この3人が、俺の息子で、陸と空と海。で、この子が甥っ子の(ひかる)

 目の前のイケメンたちをぼんやり見ていると、太一さんが4人の名前を紹介していく。

 わたしは、太一さんが呼ぶ男の子たちの名前と顔を、ひとりずつゆっくり確認していった。