空と海と、願いごと

「仲良くなったみたいでよかった」

 ふと見ると、陸くんも、わたしと暉くんのやりとりにニヤニヤとしている。

「仲良くないし! おれ、食堂に用事あるから」

 わたしと陸くんからニヤニヤと生温かい目を向けられた暉くんは、耳まで顔を赤くして、先に『たいようの家』へと入っていった。

「暉のこと、ありがとね」

 暉くんの姿が見えなくなると、陸くんがにこっと笑いかけてきた。

「わたしは何も。いっしょに帰ってきただけだから」

「でも、そのおかげで仲直りできそうなんでしょ。空と暉」

「たぶん、だけど……」

「ありがとう」

 陸くんに優しく微笑まれると、照れくさくて。少しドキドキする。

 陸くんは、優しくてしっかりしてて。こんなお兄ちゃんがほしかったな、って。ひとりっ子のわたしは思ってしまう。

「真凛も、中入りな」

 ぼんやりしていると、陸くんが玄関のドアを開けてくれた。