叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 ひたすら黙って食べている。

 「ねえ?大丈夫、口に合った?」

 「ああ、美味しい。優しい、懐かしい味だ。由花らしいよ」

 「どういう意味よ。おばあちゃん子だから、懐かしい味ってこと?」

 「そんな顔するな。素直にとれよ。褒めてるんだ」

 彼の食べる仕草は前も見たけどとても綺麗。比べるのも変だが、同じ御曹司の藤吾よりも食べている姿に品がある。さすがに清家の御曹司だ。

 「ごちそうさま」

 「お粗末様でした」

 お茶を飲んだ彼が私をまたじっと見た。