そんな莉桜への陰口があちこちで聞こえるようになってきた。

 それはやがて本人の耳にも届くようになり、耐え切れなくなった莉桜は一度癇癪を起したことがある。



「私だって好きでこんな身体に生まれたわけじゃない! うらやましいなら代われよ! あんたらの心臓私に寄こせよ! 何も考えずボケっと生きてきたあんたらに私の気持ちがわかってたまるか!」



 強い口調で、だけど目からはとめどなく涙を流れていた。

 もともと莉桜を悪く言っていた女子たちも、莉桜に負けず劣らず気の強い子たちであったため、そのまま激しい言い合いになった。

 誰かが呼びに行ったのか仲裁に入った教師は、顔を真っ青にしていた。そして、喧嘩相手の女子たちを激しく責め立てた。

 悪口を言っていたことについてではなく、言い返して莉桜を興奮させたことを。