アオハルを走るボクらは、出会いと別れをくり返して。



「俺、今まで自分と同じくらい本気で絵を描いてる人に会ったことがなくてさ。でも、高校に入って、なぎと出会えて、同じ目標を共有できることがすごくうれしかった。それに……何よりも、なぎといっしょに絵を描くのが楽しかったんだ――」


九条くんはふと視線を落とし、少し間を置いてから言葉を続けた。


「――その一方で、なぎがコンクールで入賞するたびに、思うように結果が出ない自分に焦ってた。なぎと同じくらい努力してるつもりだったけど、実力の差を感じるようになって……俺にはなぎみたいな才能なんてないって、自分を否定して諦めてた。多分、そのときから俺はなぎに自分の夢を託した気でいたんだ」


私がプレッシャーに押し潰されそうになっているときに、九条くんも同じように苦しんでいたなんて。

入部したときからずっと九条くんと絵を描いていたのに。

九条くんがそんなことを思っていたなんて知らなかった。

だから、いつも私の絵を高く評価して、期待してくれていたんだ。


「でも、そんなのは俺の勝手な都合だった。なぎの気持ちも考えずにやつあたりなんかして……俺のほうこそ、本当にごめん」


そう言って、私に深々と頭を下げる九条くん。


――そっか。

あのとき、九条くんが私に怒ったのは、ただ期待したからだけじゃなくて、九条くん自身も苦しんでいたからだったんだ。

それなのに、私も知らないうちに、九条くんにプレッシャーをかけていたんだな。