アオハルを走るボクらは、出会いと別れをくり返して。



「あの絵を見たとき、すぐに桜庭さんの絵だってわかりました。今までどんな有名な画家の描いた絵を見ても、何かを感じたことはなかったんです。でも、桜庭さんの絵を見たときは、初めて心が動かされました」


永瀬くんはサッカーにしか興味がないと思っていたのに。

まさか、私の絵をそんなふうに思ってくれていたなんて。

初めて自分の描いた絵が評価されたときのうれしさを思い出す。


……ああ、やっぱり私は絵を描くことが好きだ。


「桜庭さんは『ただ絵を描くのが好きなだけ』って言ってましたけど……それって、できない人からすれば“ものすごい才能”だと思うんです」


“ただ絵を描くのが好きなだけ”なのが、“ものすごい才能”?


それはいったいどういう意味なのだろうか。


「人が何かに夢中になるのは、“好き”という気持ちがあるからだと思うんです。でも、その気持ちだけで何かを続けるのは、誰にでもできることではありません。だからこそ、人はそれを“才能”や“努力”と呼ぶんだと、俺は思います」


確かに、言われてみればそうかもしれない。

“才能がある”とか“努力をしている”とか――そう思うのは、自分ができないことをその人たちがしているときだ。