アオハルを走るボクらは、出会いと別れをくり返して。



当てが外れたな……。

先輩の話では、桜庭さんは絵を描きにどこかへ行ったみたいだけど……。

桜庭さん、どこにいるんだろう。

今朝の絵をボツにして、また別の場所で新しい絵を描いているのかな。


それなら今日は諦めて、明日以降にまた桜庭さんに会いに行くか……。

そう思いながら、本館を通って正門に向かおうとした――そのとき。

今朝見た桜庭さんの絵が目に入った。

もう一度、その絵をじっくりと見直してみる。


すると、遠くから見ると写真のように見えた絵が、近づくと、色が複雑に混ざり合って、何が描かれているのかわからなくなった。


その瞬間、今朝桜庭さんが言っていたことを思い出す。