「おーい、大地! 何してんだよ」
「おお、舜か。ちょうど陽翔と蒼生と話してたところだ」
大地さんが“舜”と呼ぶその人物に見覚えがあった。
……やっぱりそうだ。
副キャプテンの大迫舜さん。
攻守に関わるミッドフィルダーとして、大地さんとともに前年度の2大会を優勝に導いた。
また、舜さんもU-18にも選ばれていて、大地さんと同じくらい高校サッカー界では有名な選手でもある。
「「こんにちはっ!」」
俺たちが同時に頭を下げて、大迫さんにあいさつすると、大迫さんは目を見開いて声を上げた。
「ああっ! もしかして、アオハルコンビか? お前たちと会うのは、サッカースクール時代の試合以来だな」
大迫さんと最後に会ったのは、今から6年ほど前のことなのに……。
「俺とアオのこと、覚えてくれてたんですか?」
「もちろん。試合したあと、お前たちに言われた言葉は今でも覚えてるからな」
俺はアオと顔を見合わせて、首をかしげた。
「俺たち、大迫さんに何か言いましたっけ?」
大迫さんに質問をしながら記憶をたどる。
試合後に何か話した気はするけど、詳しくは覚えていない。



