サッカー部の練習が終わってからも、その熱は冷めることはなかった。
出待ちをしていた女子生徒たちが、一斉に大地さんの周りに集まる。
大地さんはスポーツ雑誌やテレビでも有名な選手だ。
しかも、前年度2大会で優勝に貢献したという実績がある。
そんな大地さんを、女子生徒たちが興味を持つのは当然のことだろう。
大地さんにあいさつしたかったけれど、大地さんは女子たちに囲まれていて近づけない。
この状況が落ち着くまで、アオと少し離れた場所で待つことに。
すると――。
「陽翔、蒼生っ!」
大地さんが俺たちに気づいて声をかけてくれた。
「「こんにちはっ!」」
俺とアオは頭を下げて、大地さんにあいさつをする。



