麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!

危険色の針路/その6
麻衣



私は一昨日の一連の攻防について、一通り報告してから、”これ以降”に話を言及した

「一応、これで既存勢力との最大局面は越えたことになるから、これからのみんながどう行動していくかを確認し合おう。まず、リエと片桐さんには、自身から聞かせてもらえますかね?」

これを受けて、リエは片桐さんに会釈して先に発言した

「じゃあ私から…。今回、海外でのプロスタントマンの道は白紙になったけど、今後もその夢はあきらめずにプロを目指すわ。でも、それが実現するまではこの地にいるから、なにかコトが起きれば皆の元に馳せ参じる…。私はあくまでフリーの気概を捨てたくない気持ちだけど、当面、片桐さんのグループのサポートメンバーって立場でやらせてもらうことになったわ。以後よろしくね…」

パチパチパチ…

自然とみんなから拍手が沸き起こった

リエはにっこり笑って、ぺこりと浅くお辞儀した…

さあ、次は片桐さんだ


...


「私は紅組を脱退した今のメンバーを軸に、岩ちゃんから何人か活きのいい子を預かって、”ハード・レッズ”というチーム名で後発グループの輩出を担っていこうかと考えてる。主なメンバーは皆、いい年で仕事も持ってるけど、リエが言ったように、今回の仲間から要請があれば力になる所存よ。今後も変わらず、紅組とは堂々と対峙していくわ」

パチパチパチ…

片桐さん、いつものケバさと清々しい表情のベストバランスで、なんとも生き生きしていたかな…

さて、次は真樹子さんに振るか…


...


「ええと、次に真樹子さんだけど…、この人には、もう総勢60人以上に膨らんだ諸勢力を丸ごと再編成してもらって、キャビネット構築の責任者をお願いしてあります。真樹子さん、大仕事になるけど、ひとつお願いね」

「ええ‥、大役だけど気合入れて取り組むわ。とりあえず、主体チームの編成の他、遊軍の振り分けに掛かります。これは、久美に補助役を担ってもらうから、頼むわよ」

「よし、久美…。ここで意気込みをみんなに披露しろ」

私はアドリブだったが、久美にはこのタイミングで発言させることにした

「…はい。ええと…、いずれは私、ドッグスへ戻るように言われてますが、当分は引き続き真樹子さんの元でお手伝いさせていただきます。みなさん…、頑張りますので、以後もよろしくお願いします…」

パチパチパチ…

”がんばれ、久美!”

”またお姉さんの元でよかったな、はは…”

わあ、久美への拍手ひと際大きいじゃん

それにエールももらっちゃって

ああ…、泣くなよな、久美(苦笑)