危険色の針路/その5
夏美
そしてもう”一方”か…
「これは言わば、実践部隊です。やはり、いざ事ある際には力の攻防戦になります。今回がまさにそうでしたし…。我々は常に、どこにも負けないくらい、一騎当千の武闘集団であり続けなければなりません」
うん…、これは否定できない
「…この部分では、現在の紅組も一貫して実践しています。私は、再編の激震に見舞われたこの際、外部にも門戸を開いての人材を受け入れる選択肢も排除しない考えです。従来、特攻隊やドッグスが担っていた実働セクションは、思い切って再編成します。そして私が総長として、その2系統をしっかり総括します」
「今の荒子案、鷹美も賛成なのね?」
「はい。全面的に賛成です」
「じゃあ、これからの再建は二人で協力しあって、やって行ってくれるのよね?」
私は鷹美に視線を投じながら、その言葉は畳みかけるかのようだった…
「…」
鷹美はここで即、答えなかった
...
その鷹美の顔にいったん目を向けたあと、車いすの荒子は私に向かって口を開いた
「実は‥、さっき鷹美からは、南玉を脱退する意向を申し受けました。あっこも一緒にということで…」
やはりか…
これが私の実感だった
ここで鷹美が重い口を開いた…
「…相川先輩、おととい自分の学校が襲われ、一般生徒にケガを負わせた…。それを防げなかった時点で、私にとっては南玉に留まる意義自体を失ったんです。残念ですが…」
「だから今、荒子が言ったようにここらからさ、みんなで変えていけばいいじゃない。ねっ…」
私は俯いてしまった鷹美に捲し立てるようだったわ
しかし、先に言葉を返したのは荒子の方だった…
...
「先輩‥、私も鷹美の立場だったら、同じ決断だったと思います…」
「荒子‥、あなた、二人の脱退、認めるっていうの?」
「ええ‥」
「荒子‥」
そんな…
私は思わず大きなため息をついて、肩を落としたわ
夏美
そしてもう”一方”か…
「これは言わば、実践部隊です。やはり、いざ事ある際には力の攻防戦になります。今回がまさにそうでしたし…。我々は常に、どこにも負けないくらい、一騎当千の武闘集団であり続けなければなりません」
うん…、これは否定できない
「…この部分では、現在の紅組も一貫して実践しています。私は、再編の激震に見舞われたこの際、外部にも門戸を開いての人材を受け入れる選択肢も排除しない考えです。従来、特攻隊やドッグスが担っていた実働セクションは、思い切って再編成します。そして私が総長として、その2系統をしっかり総括します」
「今の荒子案、鷹美も賛成なのね?」
「はい。全面的に賛成です」
「じゃあ、これからの再建は二人で協力しあって、やって行ってくれるのよね?」
私は鷹美に視線を投じながら、その言葉は畳みかけるかのようだった…
「…」
鷹美はここで即、答えなかった
...
その鷹美の顔にいったん目を向けたあと、車いすの荒子は私に向かって口を開いた
「実は‥、さっき鷹美からは、南玉を脱退する意向を申し受けました。あっこも一緒にということで…」
やはりか…
これが私の実感だった
ここで鷹美が重い口を開いた…
「…相川先輩、おととい自分の学校が襲われ、一般生徒にケガを負わせた…。それを防げなかった時点で、私にとっては南玉に留まる意義自体を失ったんです。残念ですが…」
「だから今、荒子が言ったようにここらからさ、みんなで変えていけばいいじゃない。ねっ…」
私は俯いてしまった鷹美に捲し立てるようだったわ
しかし、先に言葉を返したのは荒子の方だった…
...
「先輩‥、私も鷹美の立場だったら、同じ決断だったと思います…」
「荒子‥、あなた、二人の脱退、認めるっていうの?」
「ええ‥」
「荒子‥」
そんな…
私は思わず大きなため息をついて、肩を落としたわ



