麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!

過激な夏の扉/その15
麻衣



私の返答を聞いて、木戸ちゃん、安心したせいかとつとつと火の玉決戦当夜の対応について、自分の主張を語り始めた

まあ、言ってみれば自己弁護の”愚痴”だわね

でも、私はじっと節操のない弁を、フンフンと頷いて聞いてたわよ(苦笑)


...


「…だいたい、みんなきれいごとばかりでしょ?私は何も南玉を敵へ売り渡そうとして、キャビネット構想への参画を提議したんじゃないわ。そりゃ、水面下ではアンタとずっと繋がってはいたけど、あくまで、今の現状に沿った都県境勢力の再編成が不可避だと見越して動いていた訳だしね。南玉は時代の流れに鈍感で、界隈の現状認識に欠けていたのよ」

うーん、これは割と正論じゃないかと思う

「…あんたの勧めで県外のリーダーたちと会ってさ、私、今回改めて”それ”を実感したわね。その上ってことじゃないのよ。それを、あの夜はああいう緊急事態の最中でさ、私は何しろ冷静に慎重にと自分に言い聞かせ、一つのチョイスとしてキャビネット案を発議したまでよ」

うーん…、ここのスジもひとまず通ってるかな

「…それなのによ、荒子が健在だったってわかったら、あの時私に賛同した連中、急に豹変してさ。みんなでつるんで、私に責任をおっかぶせてきてるってのは何なのってこと!悔しいったらないわ」

はは…、だんだん正論から外れてきた…(笑)

とは言え、私はごもっともって表情で耳を傾けているけどね


...


「…もう私は、南玉内じゃあ裏切り者に祭り上げられちゃってるし、こっちだってハラを決めたわ。そんならいっそ、OG代表の立場でもある私が干されたんだから、それなりに残った者への意地は見せてやらないと気が収まらないっての!」

おー、ここで一気にテンション、マックスだ

アタマからは湯気立ってるし…

「…そこでねえ、終始鼻の穴おっぴろげて私たち先輩をけしかけてよ、引っ掻き回した本田には恥をかかせたやりたいのよ」

その気持ち、分からないではないけど…

向ける矛先がイケイケの先頭を走ってきた1年坊の本田ってのは、今一、意味不明だよなあ…(苦笑)

まあ、なんとも、この人らしいけど