麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!

過激な夏の扉/その14
麻衣



狂犬さんは来週中に退院し、その翌日から学校に通うらしい

これで私の”日程”も決まった…

...


そんで今日はさ、木戸真澄先輩に呼び出されてね

学校の帰り、展望公園の駐車場に来た訳だ

待つこと約10分…

来たぞ…

...


「…待たせたわね、麻衣」

「いえ…。今日は、よろしくお願いします…」

「こちらこそだわ。…ええと、ここじゃあ、人の目につくから上の木陰で話そう」

おお、相も変わらずだわ

警戒心が強い&自過剰意識も…(苦笑)


...


「…って訳でさあ、いづみの奴、さっそく荒子と話しつけちゃってよう。全く…、みんなで私だけ悪者扱いにして、頭に来るわよ。…だいたい半数が賛成したんだよ、キャビネット参画の提案にはさ。いづみは立場的にってことで態度を保留してたけど、過半数に達するならって意向は示していたんだ。それなのに、何て変わり身の早さなのよ。節操がないにも程があるでしょうが!」

いやぁ…、私はいきなり仰け反っちゃったよ(爆笑)

節操のなさで我々のオペから排除されたことに気づきもせず、先輩、これだもの…

恵川の軍曹が聞いたら、”アンタに言われたくない!”ってところだろうよ(苦笑)

「…でねえ、荒子んとこにも行ってないし、このまま南玉にいたら非難の集中砲火を浴びるわ。だからね…、今後の身の処し方は電話で言った通りにしたいのよね」

木戸ちゃんからはさ、既に南玉を出ることを前提に、レディーキャビネットの枠内で客分格的なポジションを要求されててね…

...


「先輩には今回、何かと”助けていただいたので、お申し出の件は真樹子さんにも了解をとってあります。以後、都県境の新たな猛る女たちの受け皿となるキャビネットを軌道に乗せるため、お力をお貸しください」

「ええ‥!私も今回は単に南玉だけという狭い了見を捨てて、都県境全体のこれからを考えて行動したつもりだからねー。是非、力になりたいわ。県外のパイプもさあ、キャビネットのフレーム作りの際、何かとお役にたてると思うし、フフ…」

はは…

やっぱりこの人、分かりやすくて助かるわ

ということで、次もすぐ切り出してくるだろう

「それで、もう一つの方なんだけどさ…」

来たー!


...


「…はい!”それ”もご心配なく。アンコウ…、いや、三田村峰子先輩が万事抜かりなく手を打っくれることになっていますので」

「そうかい!…いやあ、ありがたいよ、麻衣…」

わあー、木戸ちゃん、私にくっつくくらい寄ってきて、大げさに両手を握ってきた…

香水の匂い、キツいんだけど…(苦笑)