過激な夏の扉/その8
ケイコ
「ハハハ…、そんな深刻な顔するなって。いづみやのん子らの2年は今後、両派に加わらず、いわば従来のOG格で両部署のお目付け役兼オブザーバーの役目を果たしてもらう。その総括が私になる。勿論、これは南玉が生まれ変わる大胆な改革の一歩だから、状況を見て、変えるところがあれば変えていけばいい。その辺は柔軟に考えていこうや」
「でも…」
「各校側のサブは、多美と冴木ひとみにあたらせる。みんな、お前と同じこの春の新入生だ。…今後はキャビネットと嫌でも対峙していかなきゃならないんだ。ならばだ、今から、あんたらの代が率先していく環境ってのが何よりだと思うんだよ」
総長…
...
「実際、私は何をやればいいんですか?バイクにも乗れないし、ケンカって言ったって、この前みたいなこと、いきなりではできませんよ」
「アハハハ…。お前はバイクに乗れない方が返っていいんだ。ケンカなんかもさ、ケイちゃんはしなくていい。あくまで普通の女子高校生として南玉に所属し、その辺の中高生の悩みを聞いてやってくれ。それを組織に上げ、解決策を模索し、お前はやれることをやる。どうだ、何となくイメージができただろう?」
「はい!そういうことなら、やれる範囲で一生懸命にやらせていただきます」
荒子さんはケタケタ笑いながら、「頼むぞ!」と私の肩を叩いた
...
少し間をおくと、荒子さんはやや硬い顔つきになった
「…このことこそ、南玉に一番欠けていたことだったんだろうな…。そして、一番求められていたことでもあった。それを今回、ケイちゃんと本郷に教えられたと思ってる」
私はふと、荒子さんが高校に上がる前、紅子さんの前で宣誓した”あのフレーズ”を思い出した
荒子さんは、紅子さんから再三、”覇権主義”につながるようなマネは自重するようにと諭されてたんだ
しかし、荒子さんは紅子さんの言ってる真意が、どうしてもかみ砕けなかったそうでね
それが、ようやく今回、霧が晴れるように見てとれたんだろう
紅子イズムの原点を取り戻す作業…
そこに、これからの私は微力を注ぐことになるのか…
ケイコ
「ハハハ…、そんな深刻な顔するなって。いづみやのん子らの2年は今後、両派に加わらず、いわば従来のOG格で両部署のお目付け役兼オブザーバーの役目を果たしてもらう。その総括が私になる。勿論、これは南玉が生まれ変わる大胆な改革の一歩だから、状況を見て、変えるところがあれば変えていけばいい。その辺は柔軟に考えていこうや」
「でも…」
「各校側のサブは、多美と冴木ひとみにあたらせる。みんな、お前と同じこの春の新入生だ。…今後はキャビネットと嫌でも対峙していかなきゃならないんだ。ならばだ、今から、あんたらの代が率先していく環境ってのが何よりだと思うんだよ」
総長…
...
「実際、私は何をやればいいんですか?バイクにも乗れないし、ケンカって言ったって、この前みたいなこと、いきなりではできませんよ」
「アハハハ…。お前はバイクに乗れない方が返っていいんだ。ケンカなんかもさ、ケイちゃんはしなくていい。あくまで普通の女子高校生として南玉に所属し、その辺の中高生の悩みを聞いてやってくれ。それを組織に上げ、解決策を模索し、お前はやれることをやる。どうだ、何となくイメージができただろう?」
「はい!そういうことなら、やれる範囲で一生懸命にやらせていただきます」
荒子さんはケタケタ笑いながら、「頼むぞ!」と私の肩を叩いた
...
少し間をおくと、荒子さんはやや硬い顔つきになった
「…このことこそ、南玉に一番欠けていたことだったんだろうな…。そして、一番求められていたことでもあった。それを今回、ケイちゃんと本郷に教えられたと思ってる」
私はふと、荒子さんが高校に上がる前、紅子さんの前で宣誓した”あのフレーズ”を思い出した
荒子さんは、紅子さんから再三、”覇権主義”につながるようなマネは自重するようにと諭されてたんだ
しかし、荒子さんは紅子さんの言ってる真意が、どうしてもかみ砕けなかったそうでね
それが、ようやく今回、霧が晴れるように見てとれたんだろう
紅子イズムの原点を取り戻す作業…
そこに、これからの私は微力を注ぐことになるのか…



