危険色の針路/その11
夏美
鷹美の決心は固いようだ…
しかし…
私に続いてこの鷹美とあっこまでが一気に抜けちゃったら…
なんともきついよ
...
「夏美先輩…、私は黒沼を襲った迫田の言葉が、胸に突き刺さりました。考えさせられましたよ。信念は曲げないと自負していても、人間は組織の中で知らず知らずに流されてしまう弱さがあります。人から頼りにされる立場なら、個を磨き常に足元を見失わないように生きなければと思い知りました…」
鷹美…
「…今、都県境に起っているムーブメントは、単に再編っていう意味合いを超えてると思うんです。今回の一連の出来事によって、都内側を中心とした、これまで我々の界隈の外にいた女たちが大挙参入してきますよ。例のレディーキャビネットとかで、たぶん岩本真樹子あたりが新しいフレームを作るでしょう。で、彼女らがグループを結成出来る環境がそこの中で整いますよ」
そうね、確かにそうなるだろう
鷹美の見立ては的を射てる
「…南玉もこれからは、連中とは従来と頭を切り替えた対応が求められます、必然的に。…私も今後は南玉連合の外で、”それら”とはしかるべき信念を以って対峙していきます。その信念は基本、南玉にいる時と同じです。それを新しいカタチで体現していきます、私は…」
ここで荒子が穏やかな口調で口を開いた
「私は南玉のトップを預かる者として、今鷹美が言ったことをやり遂げるつもりです。頭を切り替え、変化を怖れず…」
「わかった。あなた達は偉いわ。私も外部から、単に南玉の応援とかってことではなく、きっちり信念を持って連中とは向き合っていく。私にできることは今後も協力するから…」
「ありがとうございます…」
この時、二人とも、いい笑顔だったよ
...
結局、南玉連合の今後は、荒子とケイコや後輩たちに一切任せるしかない…
要は、紅子さんが撒いた種を枯らさなければいいんだもん
何もそんな難しく考えることではないのかもね(苦笑)
...
そこで…、当面は荒子と本郷の決着になるよ
理不尽極まりない卑劣な手段で南玉連合総長の足を骨折させた本郷は、果たしてどんなけじめをつける気なのか…
ここに、今の都県境の耳目は集約してる
本郷…、”それ”…、しっかり見せてもらうわよ…
夏美
鷹美の決心は固いようだ…
しかし…
私に続いてこの鷹美とあっこまでが一気に抜けちゃったら…
なんともきついよ
...
「夏美先輩…、私は黒沼を襲った迫田の言葉が、胸に突き刺さりました。考えさせられましたよ。信念は曲げないと自負していても、人間は組織の中で知らず知らずに流されてしまう弱さがあります。人から頼りにされる立場なら、個を磨き常に足元を見失わないように生きなければと思い知りました…」
鷹美…
「…今、都県境に起っているムーブメントは、単に再編っていう意味合いを超えてると思うんです。今回の一連の出来事によって、都内側を中心とした、これまで我々の界隈の外にいた女たちが大挙参入してきますよ。例のレディーキャビネットとかで、たぶん岩本真樹子あたりが新しいフレームを作るでしょう。で、彼女らがグループを結成出来る環境がそこの中で整いますよ」
そうね、確かにそうなるだろう
鷹美の見立ては的を射てる
「…南玉もこれからは、連中とは従来と頭を切り替えた対応が求められます、必然的に。…私も今後は南玉連合の外で、”それら”とはしかるべき信念を以って対峙していきます。その信念は基本、南玉にいる時と同じです。それを新しいカタチで体現していきます、私は…」
ここで荒子が穏やかな口調で口を開いた
「私は南玉のトップを預かる者として、今鷹美が言ったことをやり遂げるつもりです。頭を切り替え、変化を怖れず…」
「わかった。あなた達は偉いわ。私も外部から、単に南玉の応援とかってことではなく、きっちり信念を持って連中とは向き合っていく。私にできることは今後も協力するから…」
「ありがとうございます…」
この時、二人とも、いい笑顔だったよ
...
結局、南玉連合の今後は、荒子とケイコや後輩たちに一切任せるしかない…
要は、紅子さんが撒いた種を枯らさなければいいんだもん
何もそんな難しく考えることではないのかもね(苦笑)
...
そこで…、当面は荒子と本郷の決着になるよ
理不尽極まりない卑劣な手段で南玉連合総長の足を骨折させた本郷は、果たしてどんなけじめをつける気なのか…
ここに、今の都県境の耳目は集約してる
本郷…、”それ”…、しっかり見せてもらうわよ…



